りんごの歴史

りんご栽培は有史以前に始まったと言われています。
原産地は中国の天山山脈と言われ、コーカサス地方からヨーロッパ、さらにアメリカへと伝わりました。
最初に栽培されたのは新石器時代といわれ、約8000年前の炭化したりんごがトルコで発掘されています。
そして紀元前1300年には、ナイル川のデルタ地帯に果樹園が作られるようになり、
ギリシャ時代になると、りんごの野生種と栽培種を区別し、接ぎ木による栽培方法が書かれ、
ローマ時代になると、りんごの品種が載った本が出版されています。

西洋におけるリンゴの歴史は古いですが、日本に現在のようなリンゴが食べられるようになったのは明治初期と、
実は日本でのりんごの歴史はとても浅いのです。
それ以前にも、中国から渡来したといわれている「和りんご」「地りんご」と呼ばれる小形のりんごや10世紀頃の文献には「林檎」の名がみられますが、
これらは現在のりんごとはとは系統の違うものでした。

日本で「りんご」は、明治初期に政府がりんご苗木を輸入し、全国に無償で配布したのが始まりといわれています。
このりんごは当初「西洋りんご」と呼ばれ「和りんご」と区別されていましたが、
果実の大きさ・味で勝る「西洋りんご」が「和りんご」に代わって栽培が広がり、やがて単に「りんご」と呼ばれるようになりました。
現在、日本で食されているりんごは、この「西洋りんご」から派生したりんご達です。
りんごは東北地方や北海道の稲の冷害に対する救荒作物として急速に普及し始めました。

明治18年には、青森県津軽各地にりんご園が開設され、りんごの栽培が盛んになりました。
当時は「りんごの木一本で、米十六俵分の収入がある」という風説があったほどだそうです。

太平洋戦争の折、りんごは国民食料と認められず、政府が作付統制令を発布するなりんご栽培は一時大きな打撃を受けるものの、
戦後、りんご園の建て直しが盛んに行われ、
栽培技術の向上や、掛け合わせなどによる品種改良・新品種の研究が重ねられ、林、ふじ、つがるなどのメジャーりんごが生まれます。
その後も、りんごは様々な種類が生まれ、味も向上し今日のりんごに至りました。

今の時期の旬りんご

ふじ

ふじ

日持ちが良く、ボケにくいフジリンゴは、今の時期でも美味しく食べることができます。


むつ(陸奥)

むつ

フジ同様、日持ちが良くボケにくい陸奥は、冬でも美味しく食べることができます。